盆栽とは?定義や種類と大きさの分類について

「盆栽には興味があるけど難しそうだな。」

という意見をよく頂きます。

なぜ盆栽を難しいと感じてしまうのか?
それは、

「そもそも盆栽の事がよく分からない。」

というのが大きな理由の一つであると考えます。

なので今回は盆栽とは具体的に何なのか?

をテーマとし、
そもそもの盆栽の定義や分類方法について解説します。

盆栽への理解を少しだけ深めることで、
新たな視点で盆栽を楽しむことができるでしょう。

1. 文字から考える盆栽の意味

盆栽を一歩づつ理解するために

まずは“盆栽”という文字の意味を確認してみようと思います。

盆栽というそれぞれの文字には、

「盆」・・・陶磁器、金属、木製による物を載せるための平たい道具のこと。

「栽」・・・草木を植えたり植栽すること。

このような意味があります。

つまり”盆栽”の文字が意味することは、

「盆の中で育てられた植物」

であるということです。
現代においては植物を植える「盆」のことを「鉢」と呼ぶので、

「鉢の中で育てられた植物」

と言い換えることができるでしょう。

しかしながら鉢の中で育てられた植物となると、
その種類は豊富です。

盆栽以外にも多くの鉢植え植物は存在しますし、
園芸品種も種類はとても豊富です。

この疑問に答えるために続いて、鉢植え・園芸品・盆栽の違いに着目してみましょう。

2. 鉢植えと園芸品と盆栽の違いとは?

鉢植えと園芸品と盆栽の違いを理解するために、
広辞苑を参考にしてみようと思います。

2-1. 鉢植えとは?

“ 鉢植えとは草木を鉢に植え込んだもの。またそうした栽培。”

つまり鉢植えとは、草木を鉢に植え込んだものを総称して鉢植えと呼びます。

2-2. 園芸品とは?

“ 園芸とは、蔬菜・果樹・庭樹・花卉などの栽培、またその技術。”

蔬菜や花卉など、聞きなれない難しい言葉が出てきました。

※1、蔬菜(そさい)=食用の草木を含む野菜より広い概念
※2、花卉(かき)=鑑賞を目的とする花を咲かす草

つまり園芸とは簡単にまとめると、野菜・果物・庭木・花などを含めて総称して園芸と呼びます。

園芸の名の通りホームセンターの園芸コーナーや、街の園芸専門店の売り場での取り扱い商品がまさに園芸品と言えるでしょう。

2-3. 盆栽とは?

“ 盆栽とは陶磁器の鉢などに草木を植栽し、樹姿を整えて自然の雅趣を表し、鑑賞するもの。”

※3、雅趣(がしゅ)=風流さや深い味わい。

広辞苑には盆栽についてこのような記述があります。

このように広辞苑を参考にする事により、鉢植え・園芸品・盆栽の
違いを理解することができました。

今回のメインテーマとなる盆栽の定義については
続けてもう少し深く掘り下げてみようと思います。

3. 盆栽を定義づけるために重要な3つのポイント

盆栽の定義を考えるにあたり、3つのポイントがとても重要になってきます。

先ほどの広辞苑による盆栽の解説を再度引用しますと、

“盆栽とは陶磁器の鉢などに草木を植栽し、樹姿を整えて自然の雅趣を表し、鑑賞するもの。”

このような記載がありました。

この記述を前編・中編・後編の3つに分けて考えてみます。

3-1. 鉢植えされている

前編部分に「陶磁器の鉢などに草木を植栽し」という記載があります。

つまりは草木を鉢に植えることが盆栽の大前提であり、
盆栽と呼ぶからにはまずは鉢に植えて育てる必要があるということです。

鉢に植えてあるか植えていないかの違いが、街路樹や自然の樹木との違いです。

3-2. 自然美を追求する

中編部分に「樹姿を整えて自然の雅趣を表し」という記載があります。

つまりは自然美を感じられるように姿・形を整える必要があるということです。

3-3. 鑑賞して楽しむ

後編部分に、「鑑賞するもの」と言う記載があります。

つまりは盆栽とは鉢に植え、
自然美を感じられるように整姿整形(せいしせいけい)し、
鑑賞して楽しむ事。

これが盆栽であるということです。

4. 盆栽の定義とは?

前置きが長くなってしまいましたが、
本題に入ります。

今までの流れから盆栽の定義とは、

① 鉢植えされている
② 自然美を感じられるよう形を整える
③ 鑑賞して楽しむ

上記の3点であり、
盆栽の定義を言葉でまとめますと、

〜盆栽の定義〜
「盆栽とは鉢に植えた植物を自然美を追求し育て、鑑賞して楽しむもの。」

と言えるでしょう。

5、盆栽は生きる芸術である

そして盆栽は、

「生きる芸術」

と呼ばれることもあります。

広辞苑にも”樹姿を整えて自然の雅趣を表し”

とある通り、盆栽はただ植物を鉢に植えて育てるだけでなく、
自然美を感じられるように姿形を整える必要があります。

自然美と造形美。

この相反する概念を併せ持つのが盆栽です。

これが盆栽の一番難しい点であり,

盆栽の最大の魅力でもあります。

そしてそれ以上に重要な事は盆栽は、

「命ある生き物である。」

ということです。

当然姿形を整えることも重要ですが、
命がある以上、何よりも盆栽の健康状態を第一に考える事が重要です。

ぜひ家族と同じように愛情をもって盆栽と向き合って頂けると嬉しいです。

6. 盆栽の樹種における6つの分類

続いて盆栽の分類についてお話しします。

今では約150樹種が盆栽として育てられております。

その中でも約20種ほどが定番樹種として盆栽の中心を担っております。

そして盆栽界では、これらの樹種を大きく6つの分類に分けて考えます。

6-1. 松柏類(しょうはくるい)

松柏類盆栽(五葉松)

五葉松

盆栽を思い浮かべると、多くの人が想像するのがこの松柏類でしょう。

その貫禄や壮厳さから、まさに盆栽の主役と言えるのがこの松柏類です。

・松柏類の主要樹種
黒松・赤松・五葉松・真柏・杉・杜松など。

6-2.雑木類(ぞうきるい)

雑木類(けやき)

寒樹姿(落葉後の姿)のけやき

盆栽では落葉樹のことを雑木と呼びます。

このように紅葉後に落葉し、繊細な枝振りを楽しめるのも雑木類の大きな魅力です。このように落葉した姿のことを「寒樹(かんじゅ)」と呼びます。

・雑木類の主要樹種
もみじ、かえで、けやき、いちょう、ぶな

6-3.花物盆栽

幹の流れや形、葉の姿を楽しむ事を基本とする盆栽において花物盆栽は盆栽に華やかさを加えてくれます。バラやウメなどの樹種においては香りも楽しむことができます。

花物盆栽においては鮮やかな色合いの鉢を合わせることもできます。なので花物盆栽を鑑賞する時には、ぜひ鉢写りにも着目してみて下さい。
※鉢写り=鉢と樹の相性。

・主要樹種
桜・梅・さつき・ツバキ・ざくろ

6-4.実物盆栽

実物盆栽(つるうめもどき)

つるうめもどき

花物盆栽同様、実物盆栽においても鮮やかないろどりや香りが大きな魅力です。樹種によって春夏秋冬様々な時期に実を付けますので、様々な楽しみ方をすることができます。

柿・リンゴ・オレンジ・カリン・ザクロ・ドングリ等の身近な果物も
実は盆栽として楽しむことが可能です。

6-5. 石付き盆栽

石付き盆栽(長寿梅)

石付きの長寿梅

樹を石に植えて育てる盆栽を、石付き盆栽と呼びます。根を石に絡めて育てる場合や、石そのものを鉢替わりにして育てる等いくつかのパターンが存在します。

時間が経てばたつほど樹と石は同化し、時代感や自然の厳しさを感じることができるでしょう。

6-6.草物盆栽

草物盆栽の寄せ植え

草物の寄せ植え盆栽

山野草や園芸種等の草物を盆栽として仕立てたもので、主に盆栽陳列時の下草として活躍します。(下草には主木の個性を引き出す役割や、季節感を表現する役割があります。)

下草も盆栽同様に、持ち込み期間が長ければ長いほど味を出すようになります。

・主要樹種
フウチソウ、ヤブコウジ、キボウシ、レンゲソウ

7. 樹形による分類

盆栽には様々な樹形があります。
樹形とは、樹の動きや流れのことです。

真っ直ぐな直幹、動きや流れがある模様木などが代表的な樹形となります。

樹形についてはとても数が多くここでは説明しきれないので、またの機会にしっかりと特集を組み解説を行いたいなと考えております。

8. 寄せ植え盆栽

一つの鉢に複数の幹を植えることを寄せ植え盆栽と呼びます。

寄せ植え盆栽を製作する時には一つのルールがあるので続いて解説します。

8-1. 奇数で構成するのが寄せ植えのルール

盆栽では昔から、寄せ植えを行う際には双幹(2つの幹)以外においては奇数で幹を揃える習わしがあります。

2本の幹を双幹
3本の幹を三幹
5本の幹を五幹
7本の幹を七幹と呼びます。

このように双幹を除き、
幹の数を奇数として鉢に配置するのが寄せ植え盆栽の基本です。

9. 大きさ表記について

盆栽の高さと横幅の解説

高さと横幅の測定方法

盆栽では上記画像のように
高さと横幅を表記します。

懸崖樹形の場合には、頭から一番下の枝部分までを上下で表記します。

10. 大きさによる分類

盆栽では以下のようにサイズ分けを行っております。

・豆盆栽  1cm〜5cm
・小品盆栽  6cm〜15cm
・貴風盆栽 16cm〜30cm
・中品盆栽 31cm〜60cm
・大品盆栽 60cm〜120cm
・大型盆栽 121cm以上

どんな盆栽にも必ず個性や長所があります。

なので上記のサイズの中に
無理矢理当てはめるのではなく、

個々の長所をしっかりと見抜き、
それぞれの盆栽の長所を最大限活かせるように
仕立てることが重要です。

11. まずは盆栽鑑賞を楽しもう

このように盆栽の定義や細かな分類等について
解説してきました。

もちろん盆栽を楽しむ上で
このような基礎知識はとても重要ですが、
何よりも重要なのは、

枠やルールにとらわれずに、
盆栽を愛して大切に育てるということです。

そして盆栽業界には昔から
愛情を持って育てればどんな樹でも
必ず良くなるという格言があります。

全てにおいて100点満点の完璧な樹など存在しないですし、
どんな樹にも必ず長所やチャームポイントがあります。

なのでぜひそれぞれの樹の良い所を見つけ出し、
良い所を引き出し、愛情を持って盆栽と向き合って頂ければと思います。

盆栽を育てるには水やり、日当たり、風通しのことも考える必要があるので、まずは盆栽鑑賞を楽しむ事を第一歩にするのもおすすめです。

>>盆栽の鑑賞方法

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