黒松の芽切り 〜短葉法〜

黒松芽切りの作業

黒松盆栽の芽切りの方法を解説します。
赤松盆栽でも全く同じ作業を行います。

松の芽切りは別名、

「短葉法(たんようほう)」

とも呼ばれます。

黒松を引き締まった姿に仕立てるためには
芽切りは必須の作業となります。

今回は埼玉県の春日部大樹園・時田春信先生に
芽切り(短葉法)の方法を教わってまいりました。

黒松にはなぜ芽切りが必要なのでしょうか?

芽切りの基礎知識から
作業時に注意すべきポイント
そして実際に芽切りを成功させるための
7つの作業手順を実践画像付きで解説します。

1、偶然発見された短葉法

短葉法の技法を生み出したのは
愛知県にある大樹園・初代園主鈴木佐市氏です。

それは偶然のアクシデントから生まれたものでした。

ある日管理していた黒松の新芽が
シンクイムシの食害にあってしまいました。

しかしながら秋になると
食害を受けた黒松の盆栽から二番目が吹き
短い葉が生えそろっているのを目の当たりにしました。

それを見て、

「これは面白そうだ」

と思った氏は、
試しに自らハサミを入れてみました。

そうすると同じように二番目から生まれる葉が
綺麗に生え揃うようになり、
今まで見ることのなかった綺麗さと引き締まった
葉姿の黒松盆栽を仕立てる事ができました。

このように偶然のアクシデントから短葉法の技法は発見されたのです。

2、黒松が盆栽の王様と呼ばれるまでの道のり

今でこそ盆栽の主役とも言える黒松ですが、
当時は引き締まった葉姿が美しい五葉松や
個性的な樹形が多い真柏が人気の中心でした。

お世辞にも主役とは呼べない
立ち位置にいたのが盆栽としての黒松の現状でした。

なぜなら黒松は樹勢が良ければ
新芽が数十センチ伸びてしまうので
枝も葉も間延びしてしまうからです。

盆栽は小さな鉢の中で
大自然を表現し、鑑賞して楽しむものです。

なので間延びしたボサボサの姿は
盆栽としての鑑賞価値を
大きく損なってしまうのです。

このように短葉法の技術が確立される以前の黒松は
新芽が勢いよく伸びてしまうので
小さな鉢の中で大自然を表現するという
盆栽の理想を表現する事が
とてもむずかしかったのです。

そんな中、偶然発見された短葉法により
枝も葉も長さを調整できるようになりました。

その結果、細やかな枝ぶり
短く生えそろった葉姿を表現できるようになりました。

それに加えもともと黒松特有の魅力である
豪快で迫力のある幹肌も引き立つようになり
またたく間に黒松は、

「盆栽の王様」

と呼ばれるようになったのです。

3、黒松に芽切りが必要な3つの理由

このように偶然発見された短葉法ですが、
芽切りには大きく以下の3つの役割があります。

  1. 芽力の平均化
  2. 葉を短くそろえる
  3. 枝数を増やす

芽切りをした場合、しなかった場合を例にとり、
芽力や葉の長さ、枝数が増える理由について
考えてみます。

3−1.芽切りをしない場合

樹勢が良い黒松であれば
春に新芽はグングン伸びてしまいます。

なので芽切りをしなければ、
黒松はボサボサの外観になってしまいます。

  • 枝(新芽)が間延びしてしまう
  • 葉が伸び、ボサボサの盆栽になってしまう
  • フトコロ芽が枯れてしまう

このような状態になってしまい、
2年も放置すれば盆栽としての鑑賞価値を
大きく落としてしまいます。

フトコロ芽とは
枝の内側にある小さな芽のことです。

盆栽ではフトコロ芽の活かし方が
とても重要になってきますので、
後ほど詳しく解説します。

3−2. 芽切りをした場合

芽切りを成功させる事により
ピシッと葉が生えそろった
力強い黒松に仕立てる事が可能です。

  • 枝(新芽)の伸びを抑制できる
  • 短く引き締まった葉姿に仕立てる事ができる
  • フトコロ芽に力を与え活かす事ができる

このように黒松の良さを
最大限引き出す事が可能です。

3−3. 1年で枝数を2倍にする事が可能

もう一つのメリットとして、
芽切りを行うことで、
1年で枝数を2倍にする事が可能です。

なぜ2倍になるのかと言うと、
芽切りを行う事で1週間も経てばすぐに
新芽が2芽3芽と吹いてきます。

樹勢が良ければ4芽5芽と芽が吹く事もあります。

盆栽は2又分かれの枝の積み重ねで
1つの樹を創り上げるので
3つ以上芽が吹いた場合、
新芽が固まる秋頃に芽を2つに整理します。

これを「芽欠き」の作業と呼びます。

芽欠きをする事で残された2つの芽は、
芽が固まる事で枝となります。

これが芽切りをすることで
1年で枝数を2倍にできる理由です。

10年繰り返せば理論上、枝数を20倍にする事も可能です。

このように短期間で大きな変化を楽しめるのも
黒松盆栽の魅力の一つです。

4、芽切りを成功させるための4つの心得

芽切りは樹に負担が掛かる作業でもあるため、
日々の水やり・肥料・日当たりの面からも
樹勢(健康状態)を高めておく事が
大前提となります。

実際に芽切りを成功させるには
以下の4つのポイントさえ意識すれば
良い成果を残す事ができるでしょう。

  1. 芽力の見極め
  2. ハサミを平行に入れる
  3. 芽切り後の葉数調整
  4. 芽切り後の管理

4−1.芽力を見極める

よく起こりがちなミスは、
芽切りだからといって全ての新芽を
切ってしまうことです。

弱い芽やフトコロ芽を切ってしまうと
2番目が吹かない可能性もあります。

弱い芽には、芽切りをしない
という判断も必要になってきます。

なのでしっかりと芽力を見極め
芽切りをする芽、芽切りをしない芽を
判断する事が重要です。

4−2.ハサミを平行に入れる

新芽の切り口は、
2番目の芽出しにも影響してきます。

なので切れ味の良いハサミを使い
新芽に対して平行にハサミを入れて
芽を切る事が重要です。

新芽を切り込む際は、
ハサミの刃1枚分(約1mm)
新芽を残すことで、新芽に力を与える事が可能です。

4−3.芽切り後の葉数調整

芽切り後に葉数を調整する事により、
芽力を調整し、均一化させる事が可能です。

後ほど写真付きで詳しく解説します。

4−4.芽切り後の管理

芽切り後は、管理もしっかり行うことで
2番芽の芽出しを促進することができます。

芽切り後の管理についても
後半で詳しく解説します。

5、芽切りを成功させる7つの手順

続いて実際に芽切りを行う時の作業手順を
7つの手順としてまとめました。

今回はこちらの素材を中心として
作業手順を追ってみたいと思います。

黒松盆栽芽切り作業前

【作業前】黒松 模様木(樹齢約70年・高さ33cm・幅45cm)

中品サイズでありながら、根張りと立ち上がりの素晴らしさは
まさに本格派の模様木・黒松盆栽です。

黒松の芽切りは判断力と経験が
とても重要になってきます。

何度も復習しながら、
一歩づつ進んで行くことを意識しましょう。

【手順1】芽切りの作業時期を知る

芽切りの作業を行える期間には限りがあります。

夏になり暑さも厳しくなると
新芽の生長は止まるからです。

なので2番芽の伸び具合を想像し、
管理している地域の気候、樹勢に合わせて
芽切り時期を決める事が重要になってきます。

手順1−1.関東地方での芽切り時期の目安

関東地方の気候を基準として考えた場合、
基本的として芽切りの適期は

「6月15日〜7月15日」

を目安とします。

まずは基本通りの期間に
作業を行うことをおすすめします。

しかしながらそれぞれ管理している地域も違えば、
樹の健康状態や個体差など状況は様々です。

今では簡単にスマートフォンで
写真を撮ることもできるので、
写真を撮ったり作業日誌をつけることで
それぞれの地域に適したベストの作業時期を
見つけ出すこともできます。

手順1−2.芽切り時期で葉の長さをコントロール

芽切り時期を調整することにより
2番目の伸びと葉の長さを調整することができます。

例えば芽切りの時期が早ければ早いほど、
2番芽の生長期間が長くなり枝も葉も長くなります。
(芽切り時期が早い=6月15日に近い)

芽切りの時期が遅ければ遅いほど、
2番芽の生長期間は短くなるので枝も葉も短くなります。
(芽切り時期が遅い=7月15日に近い)

芽切り作業の時期を調整することで
枝や葉の長さも調整することができるのです。

しかし注意点として、
あまりに芽切りの時期が遅すぎると
2番目が吹かなくなる可能性もあります。

それに加えて葉が短すぎるのも、
盆栽としての力強い外観を損なってしまう場合もあります。

なので慣れないうちは余裕を持ち
早めに作業を行うことをおすすめします。

【手順2】芽力の違いを知る

芽切りの適切な作業時期を認識したら
次に実際作業を行う盆栽の全体を見て
芽力の差に注目してみます。

まずは今年伸びた新芽に着目してみましょう。

手順2−1.今年伸びた新芽を見極める方法

真ん中に伸びる中心となる枝に
注目してみてください。

黒松盆栽の新芽の見分け方

緑の軸が今年の新芽

左から順番に
今年の芽、前年の芽、前々年の芽
になっております。

画像の通り、色の違いでも判断することもできます。

今年伸びた新芽は、
将来の枝になるということです。

そしてこれから解説する芽切りの作業とは、
今年伸びた緑色の新芽を切り取る作業です。

手順2−2.芽力の違いを判断する方法

次に今年伸びた新芽の強さを
「弱・中・強」
の3つに分類します。

芽力の強さは今年伸びた
新芽の伸び具合を見て判断します。

黒松盆栽新芽の強弱の見分け方

新芽の伸び具合で芽力を判断する


①芽力「強」=芽切りする
②芽力「中」=芽切りする
③芽力「弱」=芽切りしない

そして芽力が「弱」の芽については
芽切りをしないで保護します。

なぜなら芽に力がないので
切ってしまうと2番芽が吹かない可能性があるからです。

なので芽力が「中・強」の芽に対して
芽切りの作業を行います。

手順2−3.フトコロ芽も保護しよう

もう一つ盆栽にとって重要な
フトコロ芽についても解説します。

盆栽が何十年も同じ大きさをキープできるのは、
定期的に伸びた枝を剪定し、枝の長さを短くするからです。

しかしながら何も考えず枝を剪定してしまうと、
スカスカの樹になってしまいます。

なので盆栽としての美しさを維持しつつ、
大きさを維持するには、
内側の枝や葉を上手に生かす
剪定が必要になってきます。

黒松盆栽のフトコロ芽

ポツンと飛び出してる新芽がフトコロ芽

そして将来の内側の枝や葉となるのが
このフトコロ芽です。
フトコロ芽が生長すれば、
葉が伸びて将来の枝となります。

将来的にフトコロ芽が立派な枝になれば
そこまで剪定して切り戻すことができます。

なのでフトコロ芽を上手に活かすことで
盆栽は同じ大きさを何十年も維持することができるのです。

芽切りを行うことで、
元気な新芽に回るはずであった
栄養分がフトコロ芽にもまわり
フトコロ芽を活かすことができるのです。

【手順3】芽切りしない芽の4つの事例

実際に芽切りの作業を行う前に、
芽切りしてはいけない芽をチェックしなければなりません。

以下の条件に当てはまる場合は、
芽切りを見送るという判断も必要です。

手順3−1.弱い芽

繰り返しになりますが、弱・中・強に芽力を分類し、
「弱」該当する芽の場合は芽切りを見送ります。

手順3−2.新芽が細い

新芽が細い場合も樹勢が良くない可能性があるので
芽切りを見送ります。

手順3−3色が悪い

健康状態が良くない場合や、根の状態が悪い場合は
緑の色が薄かったり、葉が黄色っぽくなる傾向があります。

この場合は今年の芽切りをお休みし、
樹に力をつける事を優先します。

手順3−4.フトコロ芽

黒松盆栽の内側のフトコロ芽

枝の内側にあるフトコロ芽も芽切りはしません

先ほどご紹介したフトコロ芽の他に、
枝の内側にある芽もフトコロ芽と呼びます。
このように内側にある芽も盆栽では大事に保護します。

【手順4】芽切りの基本

それでは実際に芽を切る時のコツに移ります。

切り口は2番目の吹き具体に影響するため、
切れ味の良いハサミを使う事が重要です。

手順4−1.ハサミは平行に入れよう

芽切りはハサミを平行に入れる

ハサミを軸に対して平行に入れる

重要なのは、ハサミを平行に入れる事です。

芽切りでハサミを入れた後

軸を残した芽切りのパターン

このように切り口が平行になるようにスパッと切ってしまいます。

手順4−2.ハサミ1枚分(約1ミリ)軸を残すのが基本

以下のように新芽を根元から切るのが
芽切りの基本です。

芽切りの切り口の成功事例

OK:ハサミ1枚分(約1mm)新芽の軸を残すのがコツ

2番目を綺麗に吹かせるには、
ハサミ1枚分(約1ミリ)を目安に軸を残すのがコツです。

芽切りの切り口失敗事例

NG:新芽を完全に切り取ってしまうと2番芽が吹かないこともある

画像の通り根元から綺麗に新芽を切ってしまうと
2番目が吹かなくなる可能性が高まります。

【手順5】上級テクニック〜芽力に応じた一度芽切り〜

次は上級テクニックになります。

芽力を平均化するために
芽力に応じて一度芽切りを行う方法です。

ここでも芽力を
「弱・中・強」
と分類することが重要になってきます。

手順5−1.芽力が「弱」は芽切りをお休み

重要なので繰り返しになりますが、
芽力が「弱」は保護のため芽切りをお休みします。

手順5−2.芽力が「中」は基本の芽切り

芽切りの切り口の成功事例

芽力が「中」の軸は基本の芽切り

このように芽の強さが「中」の芽に関しては、
画像の通りハサミ1枚分の軸を残す基本通りの芽切を行います。

手順5−3.芽力が「強」は軸残し芽切り

芽切りの軸残し

芽力が「強」の新芽は軸を残す

新芽に勢いがある、「強」の芽に関しては
画像の通り軸を残し気味に芽切りを行います。

軸を残す理由は次で解説します。

手順5−4.なぜ芽切り時に軸の長さを調整するのか?

なぜ、芽切り時に軸の長さを調整するのでしょうか?
それは軸を残す事により、2番芽の伸びを調整できるからです。

例えば「中」を例にとり、通常の軸を全て切る芽切りを行なった場合、
1週間も経てば芽切りを行なった脇から新芽が吹いてきます。

次に「強」のように軸を残して芽切りを行なった場合、
まだ長めに残した軸はまだ活動してるので、
2番芽が吹くタイミングが少し遅れます。

なので軸を残す芽切りを行う事で、
2番芽が吹くタイミングを遅らせる事が可能です。

2番芽が吹くタイミングが遅れれば最終的に
2番芽の生長も遅らせる事ができます。

その結果、基本の芽切りを行なった「中」と
生長スピードを合わせる事ができ、
全体の芽力が平均化し、盆栽として鑑賞価値の高い
姿に仕立てる事が可能となるのです。

【手順6】葉数調整

芽切り後は葉数を調整することで、
さらに芽力の平均化をすることが可能です。

手順6−1.頂芽優勢の原則

葉抜きの作業を行う前にまず前提として、
植物には頂芽優勢(ちょうがゆうせい)という原則があります。

頂芽優勢とは植物では下や横にある芽より
先端にある頂芽の生長が優位になる現象の事です。

これには植物ホルモンの働きが理由で、
そのほかには光合成を必要とする植物が太陽を求めてた結果、
頂芽優勢のシステムを得たという説もあります。

当然、盆栽においても頂芽優勢の原則が働きます。

盆栽ではどの樹種でも基本的には
上段にいけば行くほど芽力が強くなる傾向があります。

なので黒松盆栽でも頂芽優勢の原則を頭に入れて
芽切りや葉数を調整する事により、
全体の芽力を均一化でき、葉の長さが揃った綺麗な盆栽として
仕立てる事が可能になります。

手順6−2.上段・中段・下段で分類する

理想はそれぞれの芽力に応じて葉数を調整するのがベストですが、
芽力を判断する時間と葉を抜く作業の手間を考えると現実的ではありません。

黒松盆栽上段中断下段で芽力調整

基本的には上に行くほど芽力が強くなる

なので葉数調整を行う場合は、画像の通り「上・中・下」で
全体を分類する事により、効率よく頂芽優勢の原則を考慮した
葉数調整をする事が可能です。具体的には、

・特大(特に強い芽)=4芽残し
・上段(強い芽)=5芽残し
・中段(中の芽)=6芽残し
・下段(弱い芽)=7芽残し ※葉を抜かない選択肢もあり

芽切り後の葉数調整をする場合は、上記を参考にしてみてください。

手順6−3.葉数調整実践編

それでは実際に葉数調整を行なった時の見本です。

黒松は2つの葉がワンセット、ワンセットで1枚とカウントします。

葉数調整前

上記画像の場合、葉数は10枚とカウントします

ためしに葉の数を10枚→4枚に減らして見ます。

黒松の葉数調整

葉数を4枚に減らした事例

このように葉数を調整するのが黒松の葉数調整です。

先ほどの目安の通り、
上段=5芽残し
中段=6芽残し
下段=7芽残し
全ての芽において葉数調整を行ないます。

葉を抜くときはハサミを使わずピンセットを使います。
ピンセットで葉をつかみ軸に対して直角に引っ張ると簡単に抜けるので
それを繰り返し葉を抜いていきます。

【手順6】剪定

芽切りと葉数調整をすると
外観がスッキリするので、
枝ぶりの全体像を把握することが可能です。

輪郭からはみ出てる枝や、
ゴツく気になる太い枝などがあれば剪定を行いましょう。

大きな剪定は休眠期である冬に行うので
ここでは軽い剪定にとどめておきます。

7、芽切りの応用について

ここまでで芽切りの基本について解説してきました。

続いて芽切りの応用について
いくつかのパターンについてお話をします。

7−1.応用1:古木の芽切り時期

樹齢100年以上経っている古木の場合は、
少し芽切り時期を早め、6/10〜6/20あたりに
作業を行うと良い結果を残すことができます。

理由としては古木のため芽が伸びるのが遅いからです。

7−2.応用2:小品の芽切り時期

小品盆栽はサイズが小さいため、
特に短く引き締まった姿が求められます。

なので小品の場合には少し時期を遅らせ、
7/10〜7/20頃に作業を行うと良い結果が出る傾向にあります。

7−3.冷夏の場合

天候が悪く日照時間が少なかったり冷夏となった場合、
芽の伸びるスピードが遅くなり、短い葉姿になってしまいます。

なので仮に冷夏となるのが予測できた場合、
作業を10日ほど早める必要があります。

しかしながら現実問題、天候を予測するのはとても困難です。
なので余裕を持った作業が必要となってきます。

8、二度芽切り三度芽切りについて

芽切りには、2度芽切り・3度芽切りという技法もあります。

3度芽切りは作業の多くなるので現実的ではありません。
なので仮に実行するのであれば、2度芽切りにとどめておくべきです。

しかしながら今回1度芽切りで芽力を調整する方法を解説したので、
基本的には今回解説した通りの手順を踏めば大丈夫です。

2年3年と繰り返す事で樹格を向上させることができるでしょう。

もし2度芽切りを実行する場合は、
1度芽切りと同様に芽力の強さを基準に考えます。

具体的にはまず芽力が中の芽を先に芽切りします。
次に1週間ほど時間をおいて芽力が強の芽を切ります。
芽力が弱い芽は、芽切りを見送ります。

強い芽の芽切りを遅らせることにより
先に芽切りした中の芽と成長スピードを合わせることができます。

このように時期をずらすことにより
芽力を均一化させることが可能です。

しかしながら繰り返しになりますが、
1度芽切りさえマスターすれば、
2度芽切りは必要ないでしょう。

1度芽切りを極めることが上達のコツです。

9、芽切り後の管理のコツ

これまで芽切りについてかなり詳細に解説をしてきました。

一度で全てを理解するのは大変なので、
実際に作業を行いながら、何度も復習することをオススメします。

芽切りを成功させるには、
作業後の管理もとても重要になってきます。

ここでは芽切り後の管理について4つのポイントを解説します。

9−1.日当たりの良いところで管理する。

芽切り後は、2番芽を吹かせる為にも日当たりが
とても重要になってきます。

できる限り日当たりの良い場所に置きましょう。

9−2.葉水を多めにする

盆栽は葉っぱからも水分を吸収します。
葉に水をやることを、葉水と呼びます。

特に芽切り後は2番めの吹きに合わせて力を付ける必要があるので、
葉水をいつもより多めにあげるよう意識します。

9−3.土の乾きは一時的に悪くなります

芽切りをすると葉の数が減るので、
水の吸い上げ量が落ちます。

なので一時的に鉢の乾きが悪くなります。

盆栽は土が乾き始めたら水をやるのが基本なので、
基本通りに土が乾き始めたら水をやります。

9−4.消毒芽切り後の10日後ぐらいから

芽切り後の消毒について、
作業後10日以降を目安とします。

黒松の消毒についいては、また別の機会に詳しく解説します。

【まとめ】

黒松の芽切りについて解説しました。

もちろん気候には地域差があり、
同じ地域であっても管理環境には違いがあります。
さらには同じ樹種でも個体差があるので、
それぞれの盆栽に合わせた適期があります。

特に黒松の芽切りは1週間作業時期が違うだけで、
大きくその後の成長に影響がでます。

作業記録を残すことで
それぞれの管理環境に適した作業時期を見極めることが可能です。

黒松を育てる上で芽切りは欠かすことのできない作業です。
ぜひ芽切りにチャレンジしてみてください。

【次回作業予告】

芽切りを行なった後は、秋に2番芽を整理する
芽欠きという作業が必要になってきます。

時期になりましたら芽欠き特集を組みたいと考えてます。
それまでしばらくお待ちください。

黒松芽切りの作業

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