盆栽の鑑賞方法

盆栽は「生きる芸術」と呼ばれます。

小さな鉢の中で大自然を表現するのが盆栽であり、鑑賞して楽しむことを第一のテーマとしてこれまでの発展を遂げてきました。

今回は知識ゼロから盆栽鑑賞を楽しむことができるよう、盆栽の見方について解説します。

初めて盆栽を鑑賞する時はこの記事の流れにそって盆栽を鑑賞する事で、少しでも盆栽への理解を深めて頂けますと嬉しいです。

今回盆栽に関する画像は、西川盆栽園・西川敏一先生よりご提供頂きました。

それでは盆栽鑑賞7つのステップを画像付きで解説します。

1. まずは自然を見る目を養うことが重要

盆栽鑑賞で最も重要なことは「自然を見る目を養うこと」です。

盆栽は小さな鉢の中で大自然を見立て、鑑賞して楽しむものです。

なので自然からの学びが多いほど、盆栽を鑑賞した時にも様々な感想を抱くことができるでしょう。

そして自ら盆栽を育てる時にも、アイディアがどんどんひらめき、将来像を思い描く時の道しるべになります。

山登りやキャンプなど、アウトドアが趣味の人はぜひ多くの木々を今まで以上に意識的に観察してみて下さい。

忙しさ等でなかなか外に出歩く機会が少ない場合でも、近所の公園や町の街路樹の観察からも学べることは多いです。

日頃から自然への意識を高めておくことで、盆栽に対する観察眼も磨くことが可能です。

2. 建物でも盆栽でも重要なのは基礎と土台

建物でも盆栽でも重要なのは基礎と土台です。

基礎と土台がしっかりしているからこそ安全・安定・安心感を得ることができるのです。

2-1. 建物における基礎と土台

基礎と土台には、以下のような違いがあります。

参照:Wikipedia

・地盤に固定する。
・土台ー建物と基礎をつなげる役割。

このように基礎と土台には役割分担があり、それぞれの強度を高める事で高層ビルや高層マンション、スカイツリーのような大きな建築物を支えることができるのです。

これを植物に置き換えると、

・基礎=地中に埋まっている「根」
・土台=地表に張り出している「根張り」

であると言えるでしょう。

植物においては基礎となる根は地中に埋まっているため肉眼で確認することはできません。

なので植物においては安定感を出すために根張りがとても重要なポイントになります。

2-2. 世界遺産屋久杉から学ぶ、土台と根張りの重要性

屋久島の標高500m以上に自生し、かつ樹齢1000年以上の杉を総称して屋久杉といいます。

屋久杉にはいくつかの有名な木があるのですが、最も有名なのが「縄文杉」と呼ばれている杉です。

この縄文杉は世界最古の植物であると言う説もあり、推定樹齢は2000年〜7500年(定説では3500年)とされています。

屋久島の縄文杉
参照:かごしまの旅

写真から伝わる迫力の通り、幹の根元である根張りがしっかりと大地をつかんでいる姿から力強い生命力を感じます。

建物にしろ、植物にしろ、大きな本体を支えるには、何より基礎・土台が重要になるのです。

2-3. 盆栽も同じく土台(根張り)が重要

盆栽鑑賞においても根張りはとても重要なポイントとなります。
良い根張りをもつ盆栽に対しては、

「この盆栽は根張りが素晴らしい。」

このような表現を使い、盆栽を高く評価します。

先ほどの縄文杉は、まさに理想の根張りと言えるでしょう。

このように足元が安定すればするほど、安全・安心感を感じることができるのです。

基礎や土台の重要性は、建物でも屋久杉でも盆栽でも同じなのです。

特に盆栽を育て始めると、どうしても針金のようなテクニックや葉・花・実など、先端方向に意識が向かいがちになってしまいます。

当然、幹と葉の両輪があってこその樹木ですし、花や実はさらに樹木に個性と華やかさを加えてくれます。

そして丁寧な管理と技術を追求する事で、葉・花・実の美しさにはどんどん磨きをかけることは可能です。

しかしながら、それら全てを支えているのは足元となる基礎や土台であることを忘れてはいけません。

3. 中腰になって見上げよう!盆栽鑑賞の基本フォーム

具体的にステップに入る前に、盆栽を鑑賞する時の基本となるフォームについて解説します。

例えば盆栽展などの展示会では、しっかりとお客様の目線に合わせて会場設営がされていることでしょう。

しかしながら本来大自然に囲まれるような環境では、巨木を見上げるのが人間における基本的な視点になります。

なので盆栽を鑑賞する場合にも、中腰になって盆栽を足元から見上げることで、まるで森林で樹齢数百年、数千年の大樹を見上げるように盆栽を見立て、鑑賞することができます。

こちらの盆栽は樹高60cmほどの一位(イチイ)と呼ばれる樹種の盆栽です。大型盆栽という分類にはなりますが、大型盆栽の中では普通サイズであり、いわゆる一般的なサイズの盆栽になります。

このように中腰になり下から盆栽を見上げることで、まるで大自然の中から大樹を見上げるように
盆栽を鑑賞することができます。

4. 盆栽鑑賞7つのステップ

ここから具体的な鑑賞方法に入っていきます。

実際に盆栽を目の前にした時には、ぜひ以下の7つのステップに沿って盆栽鑑賞を楽しんでみて下さい。


STEP1、正面を見極める
STEP2、根張り
STEP3、立ち上がり
STEP4、幹模様
STEP5、枝打ち
STEP6、葉・花・実
STEP7、鉢写り

STEP1. 正面を見極める

盆栽には「表」と「裏」が存在します。

なので盆栽を目の前にしたら、まずは表である正面を見極める必要があります。

1、根元が太く安定している
2、幹の流れがしっかりと確認できること
3、若干お辞儀するような角度

この3つのポイントが盆栽の正面を見極めるためのコツです。

1-1. 根元が太く安定している

まず重要なのが、根元の安定感です。

植え付けの深さや角度によって根元は太くも見えるし細くも見えてしまいます。

なので植え替え時には、その樹が最も安定して見えるように様々な角度から観察し、植え替えを行うことが重要です。

1-2. 幹の動きがしっかりと確認できること

幹の動きや流れがよく観察できる角度であることも盆栽の正面を決める重要なポイントになります。

自然の風景を参考にし、考えて見ましょう。

例えば杉などに代表される針葉樹は陽を求め、天に向かって力強くまっすぐに背を伸ばすのが大きな特徴です。


当然地域にや生息する地形の形状によっては厳しい風雪にさらされる場合もあります。風が強い環境の場合には植物は風の方向には逆らわず、流れの方向に身をまかせるように木も生長していきます。

高い標高に生息する高山植物は、少ない土を求めて岩肌を噛みしめ自らの体を固定することもあります。このような環境下では、落雷などの影響で大事な枝を落としてしまう事もあるでしょう。

厳しい環境下で生きる植物からは、とても大きな生命力を感じさせられます。盆栽を鑑賞する時も、樹の動きや流れを感じることでその背景の情景までも感じることができるのです。

1-3. 若干お辞儀するような角度

盆栽のてっぺんを人間の頭に見立て、正面から見て盆栽が若干お辞儀をしているような角度を正面とすることで、盆栽の奥行きを表現できるようになります。

あまりに前傾を意識しすぎると安定感を欠いてしまうので、バランスの取れる範囲で決めることが重要です。

STEP2. 根張り(ねばり)

繰り返しになりますが、盆栽では足元のことを根張りと呼びます。

盆栽全体の安定感・安心感を出すためにもっとも重要なのが根張りです。

2-1. 良い根張りとは?

良い根張りは幹の根元が前後左右の大地をしっかりと踏まえ、盤石の安定感があります。

冒頭でご紹介したの縄文杉の根張りは、まさに根張りの理想形と言えるでしょう。

2-2. 理想は四方八方根張り

盆栽で理想とされるのは、四方根張り、もしくは八方根張りとされています。

前後左右、四方八方にバランスよく根張りが張り出しているものが理想の根張りとなります。

根張りをよくするには日々の管理、そして植え替えの作業がとても重要になってきます。

根張りを管理する方法については、またの機会にしっかりと特集を組みたいなと考えております。

2-3. 四方八方根張りが全てではない

これまでのお話の中から根張りの重要性はご理解いただけたかなと思います。

しかしながら必ずしも四方八方根張りが理想ではないケースもあります。

例えば標高数千メートルの厳しい環境に自生する植物や、険しい岩肌に自生する植物の場合、岩に根を絡みつけることで幹を固定して少ない土からなんとか養分を吸収しなければならないケースもあります。

このようにそもそも根をしっかり張るだけの豊富な土がない環境で植物が育つケースもあります。

もう一つそもそも樹種によっては根張りがあまり発達しない特性を持つ樹種もあります。

例えば盆栽の代表格である真柏という樹種は根張りがそこまで発達する樹種ではありません。

もちろん根張りは良いに越したことはありませんが、それ以上に重要なのはそれぞれの個性や特徴をしっかりと認識する事です。樹それぞれが持つ良さを最大限活かすための管理と鑑賞眼を養う事が重要です。

STEP3. 立ち上がり

立ち上がりとは、根元(根張り)から第一の枝までの幹のことを指します。

樹の動きや流れを決める上で、立ち上がりはとても重要なポイントになります。

・安定感
・バランスの良さ
・木の流れをしっかりとキャッチする

この3つのポイントを満たすことが、良い立ち上がりの条件です。

こちらは盆栽の基本となる、とてもシンプルな模様木樹形の立ち上がりです。

こちらは文人樹形と呼ばれる形になります。幹から感じられる線の流れが個性的であり、唯一無二とも言えるとても味わいの深い盆栽です。

こちらは斜幹という樹形の立ち上がりです。

ちなみにこちらの盆栽は立ち上がりに ”サバ幹”を持つ、とても珍しい盆栽です。

サバ幹とは、自然の中で落雷やその他自然災害等の影響で樹芯が見えるようになってしまう状態の事をいいます。

このように一部幹が朽ちても、生きている幹からしっかりと水分、養分を吸い上げ生命を維持する姿からはとても強い生命力を感じることができます。

サバ幹はとても珍しい事例にはなりますが、このように立ち上がりは樹種や樹形、そしてそれぞれの樹が持つ個性や性質によって様々な形状になるのです。

そして重要なのは決して教科書的に型に当てはめるのではなく、それぞれの個性を発見し活かすための培養管理と鑑賞眼を持つことが重要です。

STEP4. 幹模様

根張りと立ち上がりに着目した次には、幹模様に視点を写します。

今まで幹の動きや流れについてのお話をしてきましたが、盆栽では動きや流れの事を幹模様(みきもよう)と呼びます。

幹模様を見極める上で重要な、流れ・コケ順・幹の太さ・時代感の4つのポイントについて解説します。

4-1. 流れと樹形

植物である盆栽は、同じ形のものが2つと存在しません。

なのでそれぞれに個性があり、それぞれが何か大きな特徴を持っています。

盆栽の形はいくつかのパターンがありそれを樹形と呼んで分類しています。

樹形については数が多くとても奥が深いので、またの機会に詳しく解説をしたいと思います。

4-2. コケ順

盆栽では、「コケ順が良い・悪い」という表現をすることがあります。

コケ順が良い盆栽とは、幹の足元が一番太く、幹の上部に行くにしたがって幹が細くなるのを理想形とします。

こちらは基本フォームである中腰からの視点です。幹の立ち上がり部分が一番太く、幹の上部になるにつれ、次第に細くなっていくコケ順をはっきり認識できると思います。

4-3. 細幹論・太幹論

「理想は細幹か?それとも太幹か?」

これは盆栽業界内では昔から議論の絶えないとても重要なテーマの一つではあります。

そもそも盆栽は文人趣味として発展したのがその発端です。

しかし時代の経過とともに、幹の太さが重要視される傾向になっています。

なぜなら、ここまで解説してきた通り、盆栽は根張りと立ち上がりをとても重要視する為、どうしても幹の太い盆栽の方が鑑賞面から高く評価され、同時に値打ちも高くなる傾向にあるからです。

しかしながら樹を太らすことが第一の目的になってしまうと、盆栽が本来目指すべきである小さな鉢で大自然を感じるというテーマから方向がズレてしまうという恐れもあります。

幹の太さそのものよりも、重要なのは素材それぞれの個性を最大限活かす管理です。

4-4. 時代の古さ

樹木は幹肌を見れば、ある程度の精度で樹齢を推測することが可能です。

樹種によっての差は大きいですが、わかりやすく表現すると若木は幹肌がツルツルに近いです。

老木は幹肌に割れが生じることが多いです。

例えば黒松の場合は幹肌の割れ方がとても特徴的です。

年輪を重ねるほど、幹肌が重なり合うようにどんどん割れが深くなっていきます。

黒松の幹肌の割れ具合はまるでミルフィーユのような階層構造に見えることから、

通称”ミルフィーユ割れ”と呼ばれております。

このように樹齢や古さを感じられる事を、盆栽では「時代を感じる」と表現します。

STEP5. 枝打ち

枝の張り出し型を、枝打ちと呼びます。

そして盆栽には「役枝」と言うのがあり、各枝にはしっかりと役割があるのです。

5-1.役枝とは

役枝とは、その樹の個性を決める重要な枝の事を役枝と呼びます。

代表的な役枝として、

「一の枝」・・・根元から数えて1本目の枝。盆栽では一の枝をとても重要視します。

「差し枝」・・・動きを感じさせる枝のこと。差枝は樹形や枝打ち場所にとらわれることがなく、樹それぞれの個性を象徴する枝の事を差枝と呼びます。

「食いつき枝」・・・幹の中間前後にあり、比較的短く食いついているように見える枝の事。食いつき枝がある事で、単調な枝打ちのリズムを変えることができます。

「裏枝」・・・盆栽では正面を定めると、どうしても左右の枝配りに意識が向きがちになってしまいます。盆栽の裏方向に伸びる枝を配置する事で、盆栽に奥行きを持たせることが可能です。

上記が代表的な役枝となりますが、さらに詳しい解説はまた別途特集を組みたいと思います。

5-2. コケ順とは

幹同様に、枝においてもコケ順はとても重要視されます。

根元に近いほど枝が太く、上部に行くにしたがって枝が細くなることを枝のコケ順が良いと表現します。

5-3. 教科書通りに考えてはいけない

しかしながら注意点として、いくらコケ順が重要だからと言っても教科書的なパターンを意識しすぎると、どうしても無理な姿になってしまうこともあります。なぜなら全てにおいて満点の盆栽に巡り合う可能せは極めて低く、それぞれの個性を活かしてあげることが盆栽にとって何よりも重要だからです。

なので鑑賞する時は、その樹の良さに着目し、育てる時はその樹の個性や良さを最大限活かすことに注力することが重要です。

STEP6. 葉・花・実

四季がハッキリしている日本では、葉・花・実の美しさを存分に味わうことができます。

例えば葉について着目してみると、春には新緑の芽出しから生命力を感じることができます。

夏には葉が生え揃い、力強さを感じることができます。

秋になると樹種によっては紅葉を楽しむことができ、落葉樹においては冬になり落葉してからも、枝ぶりを鑑賞するのもとても楽しみです。

落葉後の枝だけの姿を寒樹と呼び、寒樹姿を堪能できるにも盆栽ならではの楽しみ方です。

6-1. 良い葉の見分け方(葉性について)

小さな鉢の中で大自然を表現する盆栽にとって、葉の大きさはとても重要な要素の一つになります。

なぜなら葉の大きさが小さい方が相対的に巨木感を感じやすくなるからです。

なので盆栽では、葉が小さい盆栽をとても鑑賞価値が高い盆栽として評価します。

そして葉が小さな盆栽の事を、

「性(しょう)が良い盆栽である。」

と呼びます。

同じ樹から採取した種を10個植え、全く同じ条件下で管理したとしても、性の良し悪しは千差万別です。

例えばこちらは葉性の良い五葉松です。この繊細な葉姿からは、まるでフカフカの絨毯のような柔らかさを感じることができます。

これだけ立派な立ち上がり(幹)を持っているのにも関わらず、このような性の良い葉を持つ盆栽を見かける機会はめったにありません。

性の良さは技術である程度コントロールすることは可能ですが、何よりも重要なのは、その個体の性質によるものです。

6-2. 良い花と実の見分け方

大きな花を咲かせる樹種もあれば、小ぶりでカワイイ花を咲かせる樹種もあります。

カリンのように大きな実をつける樹種もあれば、キンズのように小さな実をつける樹種もあります。

花や実においては樹種によって特徴は様々であり、当然白い花や赤い花、黄色い実や赤い実等、色に関しても様々です。

ただ一つだけ重要なのポイントは、あくまで盆栽の主役は幹であり葉であるということです。

なので花や実を前面にアピールするのではなく、あくまで幹や葉を引き立たせるように花や実を咲かせる事で、盆栽としての鑑賞価値を最大化することができるでしょう。

STEP7. 鉢写り

これまで1〜6のステップでは、
盆栽その物の鑑賞方法について解説してきました。

実は盆栽を鑑賞する上で、もう一つ重要な要素があります。

それが「鉢」です。

盆栽と鉢との調和が素晴らしい事を、盆栽では「鉢写りが良い」と表現します。

せっかく素晴らし素材の盆栽でも、鉢の選択を間違えてしまうと素材の良さを最大限引き出すことができません。

一方ですでに満点に近い盆栽であっても鉢を替える事で、さらに樹格を向上させる事も可能です。

そして鉢合わせの良し悪しを判断するには、

・鉢と樹のバランス
・鉢の素材
・樹の樹形

主にこの3つのポイントに着眼する必要があります。

7-1. 鉢と樹のバランス

一番重要なのは、鉢と木のバランスです。
以下のポイントを意識する事で、バランスを整えることが可能です。

・樹の高さには鉢の大きさを対応させる。
・樹の重量感には鉢の重量感を対応させる。
・樹の太さには鉢の深さを対応させる。

樹に対して鉢が大きすぎると、樹の巨木感が失われてしまいます。
樹に対して鉢が小さすぎると、不安定感を感じてしまいます。

なので鉢と樹のそれぞれに対し、
重さ、大きさ、深さなどに気を配ることが重要です。

7-2. 鉢の素材を合わせる

盆栽鉢は「泥もの鉢(でいもの)」「釉薬鉢」と大きく2つに分類することができます。

泥ものとは、土の良さをそのまま活かした鉢です。

釉薬とは、鉢の表面をガラス質の釉薬でコーティングした鉢の事です。

・松柏類→泥もの
・雑木類→釉薬もの
・花実物→釉薬もの

このように基本的に松柏類には力強さがある泥もの鉢を、
雑木や花実物盆栽には、繊細さや柔らかさ、華やかさを感じられる
釉薬鉢との相性が良いとされております。

7-3. 樹形と鉢合わせ

盆栽の樹形を考慮して、鉢を合わせる事もとても重要です。

模様木や幹の太い樹に対しては、樹の重みをしっかりと受け止められる
厚味のある鉢が調和を生みます。

懸崖等の個性のある木には正方や丸型で深めの鉢を合わせる事で
流れをしっかり受け止めることができます。

細幹や雑木類には楕円や長方で浅めの鉢が理想とされてます。
重みのある鉢を使ってしまうと、せっかくの繊細さや柔らかさ等の
素材の長所を活かすことができないからです。

7-4. 鉢合わせ3つの実例

那須五葉松 樹齢役60年 模様木
素晴らしい立ち上がりからの幹模様。上に行くほど幹が細くなり、とてもコケ順が良いのが特徴。このような王道の盆栽には、シンプルで重みのある鉢が調和を生みます。

糸魚川真柏 樹齢は約100年 模様木
立ち上がりからのシャリが特徴。水すいの面→左→面の交差が見どころ。このような個性的な樹には、個性的な鉢を合わせる事でバランスを整えることができます。

信州産の赤松 樹齢約100年 蟠幹(ばんかん)樹形
岩場からの山採りの木。(山採りには権利者の許可が必要です。)蟠幹と呼ばれる幹の動きに大きな魅力があります。

3つの事例だけでは鉢写りについて解説しきれないですが、数多くの盆栽を見る事でその鑑賞眼を鍛えることができるでしょう。

盆栽の鑑賞方法まとめ

このように盆栽を楽しく鑑賞し、深く理解するために必要な7つのステップを解説してきました。

しかしながら一番重要なことは、「決して型にはめてはいけない。」ということです。

植物である盆栽は、同じ姿、同じ形の盆栽は地球上に2つとありません。

それぞれに個性があり、それぞれに欠点もあるでしょう。

仮に100点満点の盆栽が存在したとしても、2年も放置すれば葉も枝も伸び、ボーボーの姿の盆栽となってしまいます。70点になり、もしかしたら30点になってしまう可能性もあります。

一方で現状30点の盆栽でも、丁寧な管理を継続すれば、60点になり、もしかしたら90点になる可能性もあるでしょう。

「盆栽は管理が全てである。」

という格言がある通り、
管理次第で盆栽は良くもなり、悪くもなってしまうのです。

もちろん何事も基礎や土台が一番重要なので、盆栽を育てる場合には最初は良い盆栽の条件を目標に落とし込み、その目標に向けて管理を継続し、技術を磨くことも重要でしょう。

しかしながら最終的には、樹それぞれの個性を生かす管理法。そして樹それぞれの長所をしっかりと見抜く鑑賞眼を身につけられる事を切に願います。

多くの自然と触れ合い、多くの盆栽を鑑賞する事で観察眼を養うことが可能です。

初めて盆栽を鑑賞する時や、まだ盆栽の鑑賞方法に慣れないうちはぜひこの記事をブックマークするなりお気に入り登録するして下さい。

今回ご紹介した盆栽鑑賞7つのステップを元にして盆栽の一歩を踏み出すことにより、盆栽に対する理解を少しでも深めて頂けますと幸いです。

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